「東南アジアの社会と文化研究会」のお知らせ

第3回 <2001/05/17>
清水郁郎 (国立民族学博物館/COE研究員)
「『狭いながらも楽しい我が家』: 北タイ・アカにみる家屋と住み手の交渉」

 第3回定例研究会を下記のような内容で開催します。国立民族学博物館の清水郁郎さんが、ミャンマーから北タイに移り住んだアカにとって家屋はどのような意味を持つのかについて、家屋と住み手の相互関係に着目して語ります。多くの方の参加をお待ちしています。また、研究会終了後、懇親会を行いますので、こちらにも振るってご参加下さい。

発表要旨

●日時

2001年5月17日(木) 15:30~17:30

●場所

京都大学東南アジア研究センター東棟2階第1教室

●話題提供者

清水郁郎( COE(中核的研究機関)研究員/国立民族学博物館)

●発表要旨

 首都バンコクから見れば周縁に位置する北タイだが、アカの村、B村は、その北タイのさらに周縁に位置し、標高1,300メートルほどの山地にある。B村のアカの多くは、移住を繰り返しつつ、40年ほどかかってミャンマーからタイまで南下してきた。彼らが住む家屋はたいへんに簡素で非定住志向の建築形式がはぐくまれてきたのかと考えたくなるほどである。乏しい森林資源ゆえに、その多くが廃材を使いまわしたり、比較的入手しやすい竹を多用している。家屋空間自体も、屋内が男女の部屋に分かれていることや、高床式が多いといったこと以外に、取り立てて特徴と呼べるものはない。しかし、アカの村人は、こうした家屋に強く執着し、また逆に家屋に縛られてもいる。
 今回の報告では、アカにとって家屋を建ててそこに住むとはどのような意味合いを持つのかを、さまざまな角度から検討する。さらに、家屋の形式が不断に変わりつつある今日、家屋と住み手の関係はどのように変わりつつあるのか、そこから何が読み取れるのかを、B村の事例から考察してみたい。