「東南アジアの社会と文化研究会」のお知らせ

第35回 <2008/01/18>
信田敏宏氏(国立民族学博物館)
「世帯から社会を見る: フィールドワーク技術論(序論)」

 「東南アジアの社会と文化」研究会を、京都人類学研究会 1 月例会との共催で、以下のとおり開催いたします。 オープンな研究会ですので、ふるってご参集くださるようお願いいたします。なお開始時間が通常と異なりますので、ご注意ください。

●日時

2008年1月18日(金) 17:00 −19:00 (16 :30 開場)

●場所

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
工学部4号館 4階会議室(AA447)

●話題提供者

信田 敏宏(国立民族学博物館)

●コメンテーター

多和田 裕司(大阪市立大学大学院文学研究科)

●発表要旨

 正直なところ、私はフィールドワークが苦手である。なぜなら、酒も飲めないし、体力もなく、とりわけ、初対面の人とのコミュニケーションが不得意だからである。現地の言葉の習得にも時間がかかった。こんな私であるが、1996年から1998年まで、マレーシアの先住民オラン・アスリの集落で2年半のフィールドワークを行ない、貴重な経験を得ることができた。  フィールドワークでは、様々な戸惑い、挫折、失敗を経験した。それでも何とかフィールドワークを続けるために、恩師のアドバイスや調査マニュアルを参照しながら、世帯調査や収入集計調査など、付け焼刃ながら私なりの調査法を考え出した。そして、その時に、世帯調査から始めるフィールドワークの重要性を再認識した。  昨年、「質的調査」について講義する機会を得た。講義では、失敗から学ぶフィールドワーク、世帯調査の重要性、ゴムやドリアンの収入調査について語った。その際、「他の人類学者は実際にはどのような調査を行なっているのだろうか?」という疑問が浮かんだ。  本研究会では、マレーシアにおける私の調査経験を紹介しながら、「人類学におけるフィールドワークの基本とは何か?」「人類学者はどのようにしてフィールドワークを行なっているのか?」などについて、参加者の方々と共にフィールドワークの技術論に焦点をあてた議論をしてみたい。


[研究会世話人/事務局]
杉島敬志 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
林  行夫 (京都大学地域研究統合情報センター)
速水洋子 (京都大学東南アジア研究所)
伊藤正子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
王 柳蘭  (京都大学大学院・アジアアフリカ地域研究研究科)