「東南アジアの社会と文化研究会」のお知らせ

第17回 <2004/3/18>
村上忠良 (宮崎公立大学)
「シャン仏教チョーティ派の歴史と現状: シャン州における仏教実践についての事例研究」

第17回定例研究会を下記の通り開催します。今回は、宮崎公立大学の村上忠良さんが、大陸部国境域に居住するシャンの仏教実践の歴史と現状について報告します。今年度最後の研究会です。多くの方の参加をお待ちしています。研究会終了後、懇親会を行いますので、こちらにも振るってご参加下さい。なお、今回は事情により木曜日の開催となりますのでご注意ください。

●日時

2004年03月18日(木) 16:00−18:00

●場所

京都大学東南アジア研究センター 東棟2F教室

●話題提供者

村上忠良(宮崎公立大学)

●発表要旨

 タイ系民族シャンは、ミャンマー連邦シャン州を中心に、タイ北部・西南中国の一部にも居住している。本発表ではミャンマーのシャン州や中国雲南省徳宏地区に居住するシャンの間で実践されているシャン仏教の一宗派であるチョーティ派の歴史と現状について取り上げる。
 ビルマ世界を経由して仏教を受容したシャンは、ビルマ仏教の影響を強く受けてはいるが現在も独自の仏教実践をおこなっている。ミャンマーのシャン州や中国雲南省徳宏地区でのシャン仏教には独自の実践形態を持つ複数の宗派の存在が知られており、チョーティ派もその一つである。チョーティ派は17世紀に上ビルマでビルマ仏教の一宗派として成立したが、その後、王の弾圧によりビルマの仏教界から姿を消した。しかし、シャン州や中国雲南省徳宏地区へと活動の場を移し、その地のシャンや山地民に受け容れられていった。チョーティ派の特徴としては、独自の仏教実践によって他宗派との違いを明確に意識していること、僧は「総本山」である一つの僧院のみに止宿し、各地の寺院には僧がおらず在家者を中心として維持されていること、各地の信者は総本山を中心としたネットワークを形成していることが挙げられる。本発表では、シャン仏教チョーティ派について近年出版されたシャン語資料を使い、その歴史と現在の状況を明らかにしていく。

*この研究会は原則として奇数月の第三金曜日に開催されます。なお、7月は夏休みとし、研究会は開催しません。研究会の案内はメールを通じて行っています。お知り合いの方、とくに学部生・院生・若手研究者に、このメールを転送するなどして、案内リストへの参加をお勧めいただければ幸いです。案内リスト参加希望者の連絡先は nagatsu@asafas.kyoto-u.ac.jp です。


[世話人]
加藤 剛(京大大学院AA研究科)
林 行夫(京大東南アジア研究センター)

[事務局]
長津一史(京大大学院AA研究科)nagatsu@asafas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子(京大東南アジア研究センター)yhayami@cseas.kyoto-u.ac.jp