「東南アジアの社会と文化研究会」のお知らせ

第4回 <2001/09/20>
田口理恵 (東大東文研/非常勤講師)
「モノから描くエスノグラフィー: インドネシア・スンバ島の在来製布技術と社会変化」

 第4回定例研究会を下記のような内容で開催いたします。今回は、田口理恵さんに、インドネシア・スンバ島の人びとの、布をはじめとするモノからみた同地域の社会とその変化についてお話ししていただきます。多数の方々の参加をお待ちしております。研究会終了後、懇親会を行いますので、こちらにも振るってご参加下さい。 なお、今回、開始時刻は16:30となります。ご注意ください。

●日時

2001年9月20日(木) 16:30~18:30

●場所

京都大学東南アジア研究センター東棟2階第1教室

●話題提供者

田口理恵(東京大学東洋文化研究所/非常勤講師)

●発表要旨

 バリ島からさらに東に向かうと、馬の産地であり、「イカット」と呼ばれる絣織りの布で有名なスンバ島がある。後帯機によって織りだされるスンバ産の布は、1970年代以降、バリ島が国際的大観光地へと発展していくのにあわせて、島からバリへ、バリから海外へと広く流通する商品になっていった。今回の報告では、島の東部に位置するP村を舞台に、住人が作り出す布や、日常生活を構成するさまざまなモノを取り上げ、モノを基点に集落生活の変化や現状を紹介する。布をはじめとするモノの詳細な検討から、モノがつなぐ人の関係へ、そして、さまざまな関係の束へと視点を広げていくことで、住人たちが生きる社会の像を示せればと考える。そこから、東インドネシアの一地域における、近代化に伴う日常生活の改変のあり方と、布作りの商業化の影響を考察したい。