「東南アジアの社会と文化研究会」のお知らせ

第72回研究会<2015/12/18>
山田仁史氏
土喰う人々——儀礼的文脈に注目して


第72回「東南アジアの社会と文化研究会」を下記の通り開催します。
今回は東南アジアの自然と農業研究会と共催でおこないます。

東北大学の山田仁史氏をお招きし、土食いの儀礼的側面についてお話しいただきます。
オープンな研究会ですので、ぜひお気軽にご参集ください。
事前登録等の手続きは必要ありません。
また、研究会後には懇親会を予定しております。

●日時

2015年12月18日(金)16:00~18:00(15:30開場)

●場所

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
総合研究2号館4階大会議室(AA447)
(京都市左京区吉田本町京都大学本部構内 百万遍のすぐ近くです。)

正しくはAA447なのですが、先のメールでは誤ってAA477と書いておりました。

会場についてはこちらもご参照ください。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access
地図が二枚ありますが、下の方の地図(「本部構内」)です。

●話題提供者

山田仁史 氏(東北大学大学院文学研究科准教授)

●発表題目

「土喰う人々——儀礼的文脈に注目して」

●発表要旨

 パイカ(pica)「異食」は、土(粘土)、糊(生澱粉)、氷、チョークなどへの過剰な嗜好のことだが、とりわけ着目されてきたのは、土食ないし食土(geophagy)である。自然科学者アレクサンダー・フォン・フンボルトが南米オリノコ川流域での観察をもとに、『自然の諸相』初版(1808年)および『新大陸赤道地方紀行』第2巻(1819年)に長文の考察を載せて以来、この習俗の類例は世界各地(東南アジアも含む)から報告され、多くの研究者が取り上げるところとなった。こうして東洋学者ベルトルト・ラウファー(1930年)や民族学者ベングト・アネル/ストュレ・ラーイェルクランツ(1958年)のモノグラフを経て、産婦人科医セラ・ヤングの最新の単著(2011年)に至るまで、ことに、饑饉時や妊娠中の女性、あるいは子供などの嗜好を生理学的に説明しようという試みは数多い。しかしここでは、儀礼的文脈たとえば宣誓(oath)に際して行われた土喰いに注目したい。それはことによると、日本中世の一味神水すなわち起請文の灰を共飲する儀礼的所作とも比較できるかもしれない。

●フライヤー

第72回

●2015年度世話人代表・研究会事務局

今村真央 (京都大学東南アジア研究所)
imamura(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
加藤裕美 (京都大学白眉センター)
kato(at)cseas.kyoto-u.ac.jp